去年、リスト音楽院に大学院が設置されたので、今年受験してみた。
MA課程で、修了すると芸術家ディプロムがもらえて、
ドクター課程の受験資格も得られる。
最初に実技試験。
3スタイルで45分のプログラム。
このためにベートーヴェン、リスト、バルトークから1曲ずつ用意した。
全部を演奏するわけではなく、試験官が聞きたい部分を指定する。
実質的には20分も弾いてないかな?
申し込みをしたのは20人。
張り出された試験リストには、自分の名前はかなり下のほうにあったので、
「早くても3時以降だな」
と計算してたのに、
棄権者ばかりのため、異様に早まった。
なんと半分の10人が棄権…
ゆっくり家で調整していたところ、正午くらいに学校から連絡を受けて、
「今どこ!?家!?あなたの前の人がもう弾いているから、早く来て!!」
うそ!!(@_@;)
調整を放棄して、慌ててタクシーで飛んでいった。
それでも間に合わず、結局、
「あなたの後ろの2人に先に弾いてもらってるから、
一番最後に弾いてね」
のんびりしたハンガリーでよかった~~^_^;
結局着いてから、一息つける時間があったので、
落ち着いて舞台に上がれた。
(飛んで舞台に出ると、大抵はろくなことがない)
結果はすぐに出るのも、ハンガリー。
結局、10人弾いて、通ったのは自分ひとり。
自分としては、結果が出たのは喜ばしいけど、
改めて厳しいピッチにいることを実感。
どの受験者も精一杯努力して、大変な思いをして用意してきたことだろう。
こういう結果は、いろいろな意味で残念なことだ。
ともかく通過者には、今度は筆記試験が待っている。
課題は通奏低音(数字付きバス課題)、ソナタ形式曲の分析、
そして、曲当てクイズ。
(CDをかけて、作曲者、曲名、時代など、特徴を挙げる)
自分が外国人ということが考慮されて、
設問は全て英語で書かれていたけど、
専門的な言葉はすっかりハンガリー語の方が得意。
その結果、英語の質問にハンガリー語で答えるという
おかしな現象が起きた。
問題も、なかなか難しかった。
一番困ったのは、音楽に関する単語を、意味やコンセプトの点で説明する問題。
゛パッサカリア゛とか、゛イタリアンコンチェルト゛とか、一瞬
「作曲した人は知ってるけど…もとの意味何だっけ?」
と度々思考が迷宮入り^_^;
音楽用語は固めていたけど、こっちの方から来るとは思わなかった。
でもその他の課題は、勉強の成果もあって、さくっと解答できた。
試験自体の雰囲気は、全体的にかな~りユルイ。
試験官は、
「時間は…今から1時間くらいにしよっか?それくらいあればできる?」
またはCDをかけながら、
「美しい音楽を聴きながら、これが試験だなんて、素晴らしいよね~」
とか。
手作りもいいとこ^_^;
ま、実技試験は落とすためにやるし、
演奏家コースなので当然厳しいけど、
筆記試験はその後のただの基礎的な確認でしかないので、
ユルイのは当然ともいえる。
そしてこちらも、すぐに結果が出る。
トップで合格。
ディプロマコンサートのコンチェルトは何にしようかな♪